~自分らしいお肌で生きよう~「わたしの皮膚治療」ブログ

皮膚科医の教えるお肌のブログ

正直者は損をする?得をする?

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前回は、

「尋常性乾癬(じんじょうせい・かんせん)」

の典型的な症状について簡単にお話しました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=73/

さて、今回は、

「お薬の使用状況を主治医に正確に伝えましょう」

という内容です。

あなたは、もらったお薬をきちんと
全部、忘れずに飲んでいますか?

風邪でもらったお薬、
腰痛でもらった痛み止め、
湿疹でもらった塗り薬・・・

あなたが必ず、飲み忘れや塗り忘れなく
しっかり薬を使用しきるタイプの
方であれば素晴らしいですね。

ちなみに私はわりといい加減なので
もらっても結構飲み忘れたりします。

皮膚科で言えば、主な治療薬は
「塗り薬」です。

塗り薬は、特別な指示がない限り、、

「毎日 1日2回」

の使用が基本です。

1日2回とは「朝と夜(お風呂あがり)」の2回です。

しかし、あなたは、
皮膚科から塗り薬もらって、
症状が良くなるまで毎日しっかり
きちんと塗っていますか?

私自信も、慢性的な湿疹を患っていますが、
かゆみが無くなるとすぐ塗り忘れてしまいます(--;

ただ、ここでひとつ。
大きな問題が存在します。

それは、お薬を塗り忘れた患者さんが

「あまりきちんと塗っていなかったことを正直に医師に伝えたかどうか?」

です。

正直に伝えなかった場合どうなるかを
医師と患者さんの会話でみてみましょう。

医師「いかがですか?」

患者「えーっと・・・そうですね・・・(あんまりちゃんと塗ってなかったなぁ)」

医師「(ん?イマイチそうな感じだな。お薬が効かなかったのかな?)
    では、前回かゆかったところを見せてくださいね。」

患者「はい・・・」

医師「(あれ?やはり湿疹が治っていない! 強めのお薬出したんだけど・・・)
   いかがですか?お薬はきちんと塗れていましたか?」

患者「(ちょっと気まずいなぁ)えぇ、毎日ちゃんと塗っていました」

医師「(うーん、そうか。もっと強いお薬を出さないと効かないんだな)
    そうですか。では少しお薬を変えますね。」

患者「(えっ、またさらに強いお薬だされた!
    ここの医者は何かと言うとすぐ強いお薬を出す医者だなあ)」

・・・

となってしまう危険があります。

つまり、医師はついつい

「患者さんはしっかりお薬を使っている。」

と思い込みいがち、ということです。

これは内科でもそうです。

高血圧や糖尿病のお薬など・・・

ついつい

「患者さんはこの薬をちゃんと毎食後
 内服しているはずだ」

と思いがちです。

なので、そのまま使用状況を正直に伝えないと

医師「あれ?このお薬だしてるのに、血圧が下がっていないな。
   ではもうひとつ血圧を下げるお薬を足してみよう」

というように、お薬の種類が増えてしまったり、
さらに強いお薬を処方されてしまう危険があります。

そうなると、当然副作用が起こる確率も上がります。

「そうは言われても・・・、ちゃんと正直に伝えてしまったら、
 主治医の先生に怒られそうで・・・」

と思われたかたもいるかも知れません。

確かに、全ての場合にこの方法が
ベストな訳ではないと思います。
先生のキャラクターにもよりますしね。

それにしても、
患者さんも人間ですから、ついつい塗り忘れてしまう
こともあるかと思います。

なので、私自身は外来で

「お薬をしっかり塗っていなかった」

「お薬を塗り忘れた」

患者さんに対して、怒ったりすることはありません。

しかし、間違った情報を伝えることにより、
本来せっかく効くはずだったお薬が変更されてしまう可能性もあります。

必要以上に強い薬が処方されてしまう危険も高まります。

ですので、お薬の使用状況を正直に伝えた方が、
最終的には自分の身を守ることになると思います。

もちろん、お薬をきちんと医師の指示通り服薬することが
一番大事なことですよね。
というわけで、私自身もちゃんと服薬しようと思います・・・(^^:

逆に、ちゃんと医師の指示通り使ったのに良くならなかった時も

「毎日きちんとクスリを塗っていたのによくなりませんでした」

と正直に伝えてください。

患者さんご自身の体のことですので、
内容はどうあれ、「正直に」「正確に」状況を伝えた方が、
長い目で見たときに、
患者さんにとってメリットが大きいと思います。

是非、今後
お医者さんとコミュニケーションをとるときの
参考にしてみてください。

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