皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

食物アレルギーの原因は年齢によって違う!

実は、「食物アレルギーの原因」は
年齢によって異なります。

全年齢における食物アレルギーの
原因食物の割合が一覧表になっています。

非常に役にたつので参照してみてください。

この表は、

「食物摂取後60分以内にアレルギー症状が出現し、
医療機関を受診した例」

を集計したものです。

ですので、症状が軽くて医療機関を受診しなかった場合や、
アレルギーの出現がゆっくりだった場合は含まれないので、
必ずしも100%正確というわけではありません。

とはいえ、これをみると、
年齢によってアレルギーの原因となる食物が
全く違うことが、とてもよくわかるので
非常に大事な表だと思います。

たとえば「0歳の乳児」の
アレルギーの原因は第1位はダントツで

「卵(鶏卵)」

です。

「0歳児の食物アレルギー」全体の、
実に「62.1%」を占めます。

つまり「0歳児の食物アレルギー」の
半分以上は「卵」が原因ということです。

反対に「20歳以上」で「卵アレルギー」は
全体のわずか「6.6%」に過ぎません。

ほかには甲殻類のアレルギーは、
4~6歳ごろからではじめ、
成長するごとに徐々に
その割合が増えていっています。

ここでの大事なポイントは以下の2点です。

・年齢によってアレルギーの原因食物が異なる
・その割合を知っておくと、アレルギーを疑う際の参考になる

たとえば、0歳のお子さんを連れたお母さんから

「親戚にそばアレルギーがいるので
アレルギーが心配だ」

といった相談をうけることが実際にあります。

実際によくよく聞いてみると

「そのお子さん自身は、
そばが混ざった食品を口にしても何も症状がない」

というパターンが多いです。

お子さんが口にして症状がでるかどうかが
最も大事なポイントですので、
本人がなんともなければ検査の必要は
あまりない場合が多いです。

しかも、参考までに、この表を見てみると、
0歳児でそばアレルギーである可能性は
確率的にも、そもそもかなり低いことがわかります。
(もちろん例外はありますが)

ですので、この表をあらかじめ知っておけば
お母さんのアレルギーに関する必要以上の心配も減るでしょう。

また、

「食物アレルギーがありそうなんだけど
どれが原因か今ひとつはっきりしない」

という場合も、この表をみれば
何の食べ物を優先的に注意すればよいかわかります。

例えば、0歳児であれば、
「卵、牛乳、小麦」の3つが3大原因です。

ですので、0歳児のお母さんは

「卵、牛乳、小麦を食べたあとで
アレルギー症状がでていないか?」

を注意して見ていれば、原因食物の特定に役立ちます。

「口にしたもの全てをチェック」することも大事ですが、
まずはこの表を見て、確率的に
的を絞ったほうが少ない労力で済むので
お母さんも精神的に疲れなくて済むでしょう。

ですので、

「年齢によってアレルギーの原因となる食物の割合が異なる」

ことを知っておくとは非常に役に立つと思います。

是非、この表に一度目を通してみて、
あなた自身の年齢や、お子さんの年齢のところを
チェックしてみてください。