皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

薬を飲まずに爪水虫を治す方法

『薬を飲まずに爪水虫を治す方法』

■爪水虫は治りにくい!

足の爪が白くなったり、黄色くなったり、時
には黒っぽくなったり・・・。病院で水虫の
検査をしてみると、「爪水虫」がみつかるこ
とがあります。

時には、爪水虫のせいで爪が分厚くなってし
まうことも多いです。爪が切りにくくてとて
も苦労している方もいらっしゃるでしょう。

以前は、爪水虫は「飲み薬」を飲まなければ
なりませんでした。

それとは反対に、実は「足の裏の水虫」は
「塗り薬」だけで治せるんです。しかし、
「爪水虫」だけはどうしても「塗り薬」だけ
では治せなかったんです。

それはなぜかというと、爪は厚みがあるため
です。「塗り薬」だと、爪の中までお薬が浸
透しなかったからなんですね。

しかし「飲み薬」であれば、血管を通じて、
組織の内部から、お薬が深い部分まで浸透し
ていきます。

その結果、爪の水虫菌もやっつけることがで
きました。

しかし「飲み薬」にはちょっとネックとなる
部分もありました。水虫薬によっては、内科
で処方される胃薬や高血圧、コレステロール
などのお薬との飲み合わせに気を付けなけれ
ばならない場合もあります。

また、滅多にないことですが、肝機能障害を
起こすこともあるので、念のため、血液検査
をして、肝機能以上をチェックする必要もあ
りました。

2週間から4週間ごとに、毎回採血されるこ
とになるので、患者さんとしてもちょっと億
劫ですよね。

しかも治るまで半年~1年かかりますので、
その間飲み薬を飲み続けなければなりません
でした。

しかし、最近はだいぶ治療法が変わってきま
した。

■爪水虫は塗り薬で治る!

ここ数年、なんと「塗り薬」だけで爪水虫を
治せるお薬が次々に発売されています!

これは、実に画期的なことです!

これまでの塗り薬よりもお薬の濃度を高めに
し、さらに分厚い爪にも浸透しやすいように
工夫がされています。

そのため、お薬を塗るだけで、爪水虫が治せ
るようになりました。

1日1回、液体のお薬を、付属の「はけ」の
ような小さいブラシで、爪にちょちょっと塗
るだけです。

毎日飲み薬を飲まなくて済みますし、血液検
査をしなくて済みます。また、塗り薬は全身
に影響しないので、肝臓が胃などへの負担が
一切なく、全身への副作用もありません。

もちろん、他の内科や整形外科で処方された
飲み薬との飲み合わせも一切気にする必要は
ありません。

また飲み薬の場合、毎月1回通院しなければ
ならない場合も多かったのですが、塗り薬は
「お薬が無くなったらその時点で取りに行く」
という感じになります。

そのため、通院回数も少なくて済みます。

これは、患者さんにとっては、かなり楽です。

ただ、足の爪は伸びるのが遅く、生え変わる
まで、どうしても1年~1年半はかかります。
そのため、完全に治すにはやはり1年程度は
かかります。

もちろん、人によっては、毎日塗るのが面倒
だから、飲み薬で治したい、という方もおら
れます。なので、最終的には好みの問題です。

ただ、以前は「爪水虫は飲み薬で治すしかな
かった」のが、塗り薬でも治せるようになっ
たので、患者さんが好きな方を選べるように
なりました。

選択肢が増えることは、患者さんにとって、
非常に良いことだと思います。

以前、爪水虫がなかなか治らなくて、治療を
断念した人や、途中でなんとなく面倒で通院
しなくってしまった人も、この記事を読んだ
ら、もう一度皮膚科を受診して、治療を再開
してみて下さい。

意外に、昔よりもずっとラクに治療できるよ
うになっていますよ!