皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

皮膚科の先生に「かゆくてもかいちゃだめ!」 っていわれるんですがどうしてですか?」

あなたも皮膚科のお医者さんに

「かゆいときでも掻いちゃだめだよ!」

と言われた経験はありませんか?

「そんなこと言われたってかゆくて我慢できません!」
なんてちょっぴりムッとした方もいるかも知れませんね。

もし、あなたがそんな経験がないにしても、
あんまり痒いところを掻きすぎて
痛くなってしまったり、

もっとひどいときは掻きすぎて
血がでてしまったりしたことはありませんか?

私も実際、とても痒いときは、ついポリポリ掻いてしまいます(−−;

ですから絶対掻いちゃダメ!という訳ではもちろんありません。

でも。
少しでも、できるだけ掻かないように注意することが
大事だと言われています。

では、なぜ、掻いちゃだめなんでしょう?

なんで皮膚科の先生はそんな無理なことを
言うんでしょう?(−−;

それには2つの重大な理由があるんです・・・。

■かゆくても(できるだけ)掻かない方がよい2つの理由

現在、大きく分けて2つの理由から

「かゆくても、(できるだけ)掻いてはいけない」

と言われています。

まずはそのひとつ目です。

理由1.皮膚のバリア機能がますます壊されてしまう

そもそも皮膚はあなたの体を守ってくれる
強いバリアの役目を持っています。

皮膚がなかったらバイ菌やゴミ、ホコリなどが
全部からだの中に入ってきてしまいますよね。

皮膚は常にあなたを包み込んで守ってくれているわけですね。

この強力なバリアである皮膚ですが、
あまりに強くひっかくと、もちろん壊れてしまいます。

掻きすぎて痛くなったり、血が出てしまうのは
このためです。

血がでる、ということはかなり深い部分まで
皮膚を壊してしまったことの証拠なんですね。

そうすると、もともと湿疹やアトピーで
ただでさえ弱くなっていたバリア機能が
さらに壊され、外からの刺激に弱くなってしまいます。

具体的には、細菌に感染しやすくなったりします。

これは何となくイメージしやすいですよね(^^)

では、もうひとつの理由とはなんでしょう?

理由2.掻いた部分からますますかゆみ物質が放出される

皮膚をひっかくと、その壊された細胞や神経などから
ますます、かゆみを悪化させる物質が放出されることがわかっています。

そのため、掻いたことにより、炎症がますますひどくなり、
かゆみが余計に悪化してしまうのです。

「かけばかくほど、ますます”かゆみ物質”が出てくる」
なんてちょっとびっくりですよね・・・(--;