■シミ治療にはどんなものがありますか?
さっそくこのメルマガの読者の方から
こんな質問をいただきました。
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いつもメルマガ楽しみにしています。
今日は先生に質問です。
シミが気になっています。
市販の化粧品や、お薬もありますが、
どれを選べばいいのか、
また、効果があるのか分かりません。
値段が高いものが効果がありそうな
気もします。
皮膚科ではシミにはどんなアプローチが
あるのか教えていただきたいです。
また、費用も教えていただきたいです。
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今日は、この質問に答えていきましょう。
■シミの治療法とは?
シミの治療法は大きく分けて4つあります。
(1)ハイドロキノン
(2)トラネキサム酸内服
(3)レーザー治療
(4)栄養療法&スキンケア
です。
市販品の質問があったので、
まずは、ざっくりと市販品の説明から
いきましょう。
(1)ハイドロキノン
市販の商品は、ビタミンCやプラセンタ、
コエンザイムQ10が入っていたり、
「保湿効果もあり!」とか
「シワも改善した!」とか、
うたい文句のオンパレードです。
正直、いったいどれを使ってよいか
分からなくなりますよね。
しかし結局、宣伝されているその成分を
実際に肌に塗ったところで、
「本当にどれだけ効果があるのか?」は、
証明されていないものが、ほとんどです。
それに比べると、医学的にシミに対する
効果が確認されている成分は
「ハイドロキノン」です。
ですので、市販のシミ取りのクリームを
使うなら、
「ハイドロキノン」が入ったものが
良いでしょう。
ハイドロキノンは、イチゴやブルーベリー、
コーヒー、麦芽などにも含まれる物質で、
メラニン色素をつくるチロシナーゼという
酵素の働きを抑えることで、
色素沈着を改善させます。
市販品には色々な商品がでていますが、
商品によって、
ハイドロキノンの「含有濃度」が異なります。
一般的に、濃度が高い方が効きは良く
なります。
そして、それに応じて値段も高くなる
傾向にあります。
しかし「濃度が高ければ高いほど良い」
というわけでもないので注意が必要です。
濃度が高いと副作用のリスクもそれだけ
高くなります。
ですので、お使いになるなら、
含有濃度1%~5%の範囲内の商品が
良いでしょう。
これ以上濃度が高いと刺激や副作用が
出やすくなりますので、やめておいた方が
良いです。
効果は「しみが薄くなる人もいるが、
薄くならない人もいる」
という感じで、個人差が大きいです。
良く効く人は「ほとんどわからない
くらいまで」薄くなる方もいますが、
でも、全員が全員そこまで効くわけでも
ありません。
全く効かなかった、という人も少なく
ないですね。
そして、ひとつだけ共通して確実に
言えることは
「完全に消えることはない」
ということです。
「薄く」はなりますが、
「完全には消えない」ですね。
つまり、ハイドロキノンの効果を
まとめると、
「完全には消えないけれど、うすくなるかも。
ただし、人によっては
全く効かない場合もある」
という感じです。
(2)トラネキサム酸内服
次に、トラネキサム酸です。
こちらは飲み薬です。
もともとは止血剤や、じんましんの
治療などに使われてきた薬です。
たまたま肝斑の改善にも効果が
あることが発見されました。
メラニンをつくり出すメラノサイトに
はたらきかけ、
色素沈着を抑制するといわれています。
これも市販されています。トランシーノ
という商品が有名ですね。
2か月を目安で内服します。
これも薄くなる人は薄くなりますが、
全員ではないです。
そして、全く効果がない方もいます。
そしてハイドロキノン同様、たとえ
効いたとしても「完全に消える」
ところまではいかないことが殆どです。
ハイドロキノンと同じで、
「完全には消えないけれど、うすくなるかも。
ただし、人によっては全く効かない
場合もある」
という感じですね。
ただ、「飲むのをやめてしばらくしたら、
またシミが出てきた」
という方も結構います。
かといって、もともと血を凝固させる
作用があるお薬なので、
本来はあまり長期にだらだらと飲むのも、
あまり望ましくないと思います。
肝斑が落ち着いてきたら、1日に飲む量を
減らしてみても
良いかも知れません。
ハイドロキノン外用とトランサミン内服は、
どちらも効果が、それほど劇的ではないので、
その2つを組み合わせて治療してみても
良いでしょう。
実は、ハイドロキノンもトランサミンも
病院でも処方できます。
とはいえ、長くなったのでそのあたりの
「病院でのシミ治療」は、また次回以降
お話しますね。