皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

帯状疱疹ってどんな病気?(2)

前回は、帯状疱疹の原因について簡単にお話しました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=58/

今回は、症状についてです。

「水痘」と「帯状疱疹」は原因ウイルスが同じですが、
その「症状」は全く違います。

帯状疱疹の「典型的な症状」を挙げます。

大事なので(その理由は後述します)、覚えておくと良いかと思います。

まず、皮膚に症状が出る数日前から、
病変部の皮膚に、「神経痛のようなピリピリした痛み」や、
「重苦しさ、違和感」「痛がゆい感じ」がします。

そして、その数日後に、皮膚症状がでます。

最初は、数ミリ大の「少し盛りあがった小さい赤み」ですが、
その後、徐々に小さい「水疱(みずぶくれ)」ができはじめます。

そして少しずつ発疹の範囲が広がっていきます。

この発疹は数日でピークをむかえますが、
この水疱がどんどん広がり、広範囲に及ぶこともあります。

この頃は、かなり強い
「ぴりぴりとした痛み」を感じるようになります。

また、発疹が広範囲に広がった場合、発疹が治まった後にも、
皮膚に潰瘍(きず)・瘢痕(へこみ)が残ることもあります。

ただし、このウイルスは神経に沿って悪さをするので、
発疹の範囲は、神経の範囲、神経の走行に沿った出かたをします。

そのため、基本的には、体の片側にでます。
神経は体の左右で別な枝が伸びていることが多いためです。

例えば、顔の右半分、体の左半分、右の太ももだけ・・・
などのようにです。

そのため、体の正中線を越えて両側に出るようなことがあれば、
帯状疱疹でない可能性が高いです。

痛みのピークは、発疹が出てから7~10日ごろです。
その後は徐々に痛みは治まってきて、消えます。

発疹は徐々にかさぶたになり、3~4週間で治癒します。

多くは、茶色く色素沈着(しみ)が残りますが、
数か月から数年で徐々に消えていきます。

これが「典型的な」症状です。

ただし、病院の受診と治療が遅れると、大変な後遺症が残ることがあります。

それが帯状疱疹後神経痛です。

続きはまた次回お話しますね。