皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

恐ろしい後遺症「帯状疱疹後神経痛」にならないために(2)

前回、帯状疱疹後神経痛の症状についてお話しました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=60/

この後遺症ができるだけ出ないようにするには、どうすればよいのでしょうか?

それは、まず第一に、

「帯状疱疹が発症してからできるだけ早く、治療を受けること」が重要です。

帯状疱疹を抑える、「抗ウイルス薬」を早く投与すればするほど、
帯状疱疹の痛みや後遺症の発症率を抑えることができます。

抗ウイルス薬の投与は、原則としては
「皮疹が出てから5日以内」です。

「なーんだ、そんなことか、簡単ですね。」

と思われた方もいるかも知れません。

しかし、この病気について予備知識がないと

「なんか重苦しいなぁ」「なんとなく痛がゆいなぁ」

「あれ、ちょっと赤いぶつぶつが出てきたぞ・・・
 まぁでも市販の塗り薬でも塗って様子みてみるか・・・」

などと様子をみているうちに、5日や1週間が過ぎてしまうことはよくあります。

また、女性の「乳房の近く」や「陰部の近く」に出ることも多いので、

「なんとなく、場所が場所だし・・・
 お医者さんに見せるのが恥ずかしいし、面倒だな」

と思って、病院受診が遅れる方もいます。

我々皮膚科医からすると、

「どうしてここまで我慢できたの!?(@@;」

と思うくらい、
発疹が広がって、水疱が破れて浸出液が沢山出て、
ものすごい痛みを伴った状態で来院される患者さんを沢山診ます。

こういったことは、

(1)帯状疱疹の典型的症状を知る

(2)できるだけ早く病院を受診して、抗ウイルス薬を投与する必要があることを知る

ことで防げます。

先日、うちの母も帯状疱疹になりましたが、

「以前から祖母からよくこの病気の話を聞いていたので、
 帯状疱疹の出た場所が太ももの付け根だったけど、ピンときてすぐ病院に行った」

と言っていました。

是非、先に述べた「典型的な症状」を覚えておくことをおすすめします。

また、家族や周りの方に「こんな病気もあるんだよ」
というお話しをしてあげて、知識を共有化することもおすすめします。

長くなっってしまったので、
「帯状疱疹の治療・対処のコツ」
などについては、また後日、機会を改めてお話しますね。