~自分らしいお肌で生きよう~「わたしの皮膚治療」ブログ

皮膚科医の教えるお肌のブログ

危険なじんましんのサインとは?

じんましん

■危険なじんましんのサインとは!?

あなたは蕁麻疹(じんましん)が
でたことはありますか?

ある日突然、からだのあちこちがムズムズ
してきます。

気が付くと、かゆみがでて、
皮膚には蚊に刺されたような赤いぶつぶつ
が・・・。

それがどんどん広がって、まるで赤い地図の
ようなカタチになり、

かゆくてひっかいたところは
盛り上がってミミズ腫れになる・・・・。

・・・じんましんの症状はだいたいこんな
感じです。

じんましんは、からだ中に広範囲にわたって
でることも少なくありませんし、
見た目も真っ赤で派手です。

しかもかゆみがひどい場合、夜も寝られませ
ん。

私も、じんましんで全身がかゆくなり
ひと晩の間、一睡もできなかった経験がある
のでよくわかります。

なので多くの患者さんは、
とてもあわてて、来院されます。

しかし、ほとんどの場合、
その派手な見た目とかゆみとは裏腹に、
それほど危険はありません。

比較的軽くおわる方が多いです。

ですので、一般的に思われているよりは、
あまり心配しなくて大丈夫です。

ただし、重症の場合は話が違ってきます。

重症の場合、のどにもじんましんが出てしま
います。

そうすると、はじめはのどがイガイガする
程度なのですが

さらに悪化すると徐々にのどが腫れて
空気の通り道がせまくなるため、
呼吸が苦しくなります。

こうなると窒息の危険があります。
すぐに病院へ向かってください。

また、じんましんによって
全身の血管が広がってしまい、
血圧が急激に下がったりすることもありま
す。

これもいわゆるショック状態であり、非常に
危険です。

すぐに医療機関を受診するか救急車を呼ぶ必
要があります。

■自宅でできる、じんましんの見分け方

よく、湿疹が出ている方が
「じんましんが出てしまって」と来院されま
す。

また、

「かゆい湿疹が出ていたのに
 診察室で順番を待っている間に、
 消えてなくなってしまった」

というお話もよく聞きます。

さて、じんましんの見分け方ですが、

「ひとつの場所にでた赤みが
 数時間で一度消えてしまう」

のが、じんましんの最大の特徴です。

たとえば、腕に赤くてかゆいブツブツ
が出たとしましょう。

ここで、水性のマジックで
赤みの範囲をふちどるように線で囲います。

そして数時間後に見たときに、
マジックの中の赤みが
あとかたもなく消えてなくなっていれば
「じんましん」です。

あるいは、なくなってはいなかったとして
も、

赤みが、マジックで囲った範囲を超えて
カタチを変えてさらに広がっている場合も
じんましんである可能性が高いです。

実際は、数時間ではなく
1日から2日かかって消える場合もありま
す。

実際の診察でも、じんましんかどうか
本当に診断に迷った場合は、

一箇所にマジックでしるしを付け、
翌日もういちど受診してもらう場合もありま
す。

そこで、マジックで囲った部分が消えていた
り範囲をこえて赤くなっていたら
「じんましん」と診断することもあります。

「湿疹」など他の病気は、一旦皮膚に症状が
でたら数時間や半日程度で消えてしまうこと
はまずありません。

ですので、

「さっきまで出ていたが待合室で待っている
 間に消えてしまった」

「夕方から夜にかけて出るが、翌朝にはすっ
 かり消えてしまう」

「朝起きてすぐ出るが、お昼にはあとかたも
なく消える」

などという場合は、その話だけで
ほぼ「じんましん」だと診断がつきます。

基本的に、皮膚科では、皮膚の症状を
「じっさいにこの目で見て」みないと
診断をつけるのは難しいです。

「皮膚科は目で見てナンボ」という声も聞か
れます。

ですので、
「現在は症状が出ていない」方から
お話だけを伺って、診断することは基本的に
できません。

たとえば

「今は治ってしまったのですが
 半年前に首に赤みが出ていて・・・
 なんの病気だったのでしょうか?」

と相談をうけても、診断は困難です。

しかし、じんましんだけは
お話だけで、ほぼ診断がつきます。

なのでよく患者さんから

「いつも皮膚科受診しようと思うんですが
 受診できそうなときに、ぶつぶつが
 出ていないので受診できなくて・・・」

という声を聞きます。

でも、そのお話だけで
「短時間で出たり消えたりしている」ことが
わかるので
ほぼ「じんましん」と診断できます。

ですので、その場合は、
「現在症状がでていなくても」
気になさらず、受診してください。

ですので、さきほお話したとおり、
「あれ?じんましんかな?」と思ったときは
ペンで赤みの部分をマジックで囲ってみるの
もコツです。
(そして、しるしをつけたときの時間をメモ
しておくとよいでしょう)

その後、数時間から半日たったときに、

「あれ?家でしるしつけたところの赤みが
 消えて、他の場所に新しく赤みがでて
 いる!」

とか、

「数時間でカタチが変わった!」

という場合は、じんましんの可能性が
高いので、診断の助けになります。

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■今日のまとめ■

それでは簡単に今日のまとめです。

(1)危険なじんましんのサインを知って
   おきましょう

(2)じんましんの特徴は、短時間で出たり
   消えたりすることです。

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