皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

同じステロイドなのに効果が違う!?(1)

■同じステロイドなのに効果が違う!?(1)
 

今日は、

「同じステロイドなのに効果が違う!?」

というお話をします。

今日のお話を知っていると
病院で塗り薬をもらうときに
役に立ちますので是非参考にしてください。

例えば、ステロイドの中には
「ネリゾナ」という塗り薬があります。

しかし、ネリゾナでも、
ある「ネリゾナ」と、
また別の「ネリゾナ」では
効果が違うんです。

「えっ、不良品ってことですか!?」

と思われた方もいらっしゃるかも知れません
ね。

しかし、そういう訳ではありません。

これは、結論から言うと、
ステロイドの塗り薬の「剤形」によって
効果が違うということです。

「剤形ってなに?」

と思われた方も多いと思いますので
説明します。

塗り薬を何度かもらったことがある方や
化粧品を日常的に使用される女性の方は
経験的にご存知と思いますが、
塗り薬によって、「使用感」が違いますよ
ね。

伸びの良いクリーム状のものは
さらっとしていて塗りやすいですよね。

しかし、べたつく硬い塗り薬などもありま
す。

さらには液体タイプのローションもあります
よね。

これらが「剤形」です。

剤形を大きくわけると
「軟膏」「クリーム」「ローション」
に分かれます。
(細かく分類すると他にもっとありますが
 ここでは割愛します。)

それぞれの特徴を順に説明します。

(1)軟膏

透明から半透明で
やや硬いタイプです。

皮膚の保護作用に優れており、
刺激が少ない、と言われています。

ただし、欠点としては
べたつくため、あまり塗り心地は
良くないです。

(2)クリーム

これはイメージしやすいかと思います。

乳化され油と水分が混ざっており、
見た目は白いです。

伸びがよいので
広い範囲に塗りやすいです。

べたつかないので
上から服を着るときも
着やすいです。

ただし、軟膏よりは
刺激が強い場合もあります。

ですので、
じくじくしているところや
皮がむけているところなどには
あまり使用しません。

(3)ローション

液体に薬剤を混ぜてあるものです。

これもイメージしやすいかと思います。

クリームよりさらに水分が多く
ほぼ液体そのものです。

ですので、髪の毛が生えている
頭皮などに最適です。

頭にクリームや軟膏を
ぬるとどうしてもべたついてしまいます。

そういう時はこの
ローションが最も塗りやすいです。

ただし、刺激が最も強いです。

じくじくしたところ、ひっかいた部分、
などに塗ってしまうと、非常にしみますので
注意が必要です。

これらの「剤形」を知っていると、
病院でお薬をもらったときに

「クリームタイプの保湿剤が
良いのですが・・・」

と希望を伝えることもできます。

また、

「ローションタイプだからこのひっかいた
部分には塗れないなぁ」

といった判断も事前にできるかと思います。

(皮膚科医はこういうことがないように考え
て処方しているのですが・・・)

ですので、これを知っているだけで
役に立つと思います。

さて。
話しを戻しますと・・・

ステロイドは、
同じ名前であっても
この剤形によって、効果が異なる場合が
あります。

では、実際にどう違うのか??

・・・・

長くなったので
続きはまた次回お話します。

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■今日のまとめ■

それでは簡単に今日のまとめです。

(1)塗り薬には「剤形」というものがあり
   ます。
   具体的には、軟膏・クリーム・
   ローションなどです。

(2)剤形によって、長所と短所がありま
   す。
   これを理解しておくとお薬をもらった
   とき役に立ちます。

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