『同じステロイドなのに効果が違う!?(2)』
■前回のあらすじ
前回は、
「同じステロイドなのに効果が違う!?(1)」
というタイトルで、
ステロイドの「剤形」の
違いをお話しました。
■同じステロイドなのに効果が違う!?(2)
ステロイドの塗り薬には
沢山の種類があります。
前回もお話しましたが
同じ名前の薬にも
「剤形」の違いがあります。
具体的には
軟膏、クリーム、ローションなどです。
例えば、
「アンテベート」という塗り薬が
あります。
この薬には、実は、
「アンテベート軟膏」
「アンテベートクリーム」
「アンテベートローション」
という3つのお薬がある、
ということです。
ただし、全てのお薬に
これらの3タイプの剤形全てが
そろっているわけではありません。
軟膏タイプしかないもの(つまり
クリームとローションしかないもの)や、
軟膏とクリームあるけれど
ローションがないもの、
などもあります。
そして、これが大事なのですが、
ステロイドの「剤形」によって、
効果が異なる、という研究があるんです。
具体的に、どういうことでしょうか?
例えば、同じ「ネリゾナ」でも
「ボアラ軟膏」と「ボアラクリーム」では
効果が違う、ということです。
これは、あまり知られていない事実です。
それを以下の表にまとめます。
——–
注:
a.軟膏とクリームが同ランクであるもの
b.軟膏がクリームより1ランク上であるもの
c.軟膏がクリームより1ランク下であるもの
d.軟膏とクリ―ムの差が不明であるもの
(1)strongest
a.デルモベート
a.ジフラール
a.ダイアコート
(2)very strong
d.トプシム
a.リンデロンDP
a.マイザー
b.ビスダーム
b.ネリゾナ
b.テクスメテン
b.パンデル
(3)strong
c.メサデルム
c.ボアラ
a.アドコルチン
d.リンデロンV
d.プロパデルム
d.フルコート
(4)mild
b.リドメックス
d.ケナコルト
d.キンダベート
d.ロコイド
(5)weak
d.プレドニゾロン
——
上の表は、「軟膏」の強さが
基準になっていますので
注意してください。
例えば、
「ネリゾナ」は「b」です。
なので、「ネリゾナ軟膏」は
「very strong」の強さですが、
そのクリームである
「ネリゾナクリーム」は
一つ下のランクになる、ということです。
具体的には「strong」に分類されるので、
ボアラやリンデロンVと同じ強さになる、
ということです。
つまり、あなたが
使っている塗り薬が
「ネリゾナ」でも、
それが「クリ―ム」であれば
一般的なネリゾナ軟膏より
弱い、ということになります。
繰り返しますが、リンデロンや
プロパデルム軟膏を使っているのと
大体同じ強さ、ということになります。
もちろん、病気の症状や
塗る場所、肌の個人差などもあり、
必ずしも、この表が絶対ではありません。
しかし、ひとつの目安に
なるかと思います。
さて、
あなたが今使っている
ステロイドのお薬はいかがですか?
軟膏ですか?
クリームですか?
「強さのランク」が
実は自分で思っていたのより違った、
なんてこともあるかも知れません。
ご自分のお薬をこの機会に
是非チェックしてみてください。
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■今日のまとめ■
それでは簡単に今日のまとめです。
(1)塗り薬には「剤形」というものがあり
ます。
具体的には、軟膏・クリーム・
ローションなどです。
(2)剤形によって、同じステロイドでも強
さ(ランク)が違うこともあります。
表を参考にしてチェックしてみてくだ
さい。
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