皮膚科医の教えるお肌のブログ ~自分らしいお肌で生きよう「わたしの皮膚治療」ブログ~

もしもペットに咬まれたら ネコ編(4)

前号では猫に咬まれると、恐ろしい「パスツレラ感染症」という
病気にかかることがある、というお話をしました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=64/

今回はその続きです。

このパスツレラ菌という細菌は、
猫の口から、飼い主の肺に入り、肺炎を起こすこともあります。

これも、健康な成人であれば滅多に肺炎は起こしません。
ですから過剰な心配はいらないでしょう。
しかし、慢性気管支炎や気管支拡張症、肺結核にかかったことがある方など、
肺の病気を持っている方は、感染率が高いので注意が必要です。

ですから、そういう方がご家族や周りにいる方は、
ペットの扱いには注意するようにアドバイスしてあげてください。

このパスツレラ感染症は、近年のペットブームに伴って増加しています。
ある論文によると、年25%づつ増加しているとも言われています。

ネコに咬まれたところが一見、小さな傷でなんでもないように見えても、
24時間は赤く腫れてこないか、要注意して観察していてください。

もちろん、腫れてくる前に、咬まれたらすぐに病院を受診して
抗生物質を内服しておくことを重ねてオススメします。

ここまでの話しを聞いて、
「私はペットに猫を飼っていないから大丈夫!」
と思った方もいらっしゃるかも知れませんね。

しかし、実はペットを飼っていない方でも、咬まれる危険があります。
友人の家へ遊びに行って、そこで飼われている猫に咬まれることもあります。
また、ノラ猫やに咬まれることもあります。

庭をいじっていたら、そこにノラ猫がいたのに気付かず、
シッポを踏んでしまい急に咬まれた、というパターン。

また、
「かわいいと思って野良猫にエサをあげてたら、急に咬まれた・・・」
というパターンもあります。

全て、私が実際に皮膚科の外来で経験したパターンです。

ネコに咬まれたところが、24時間以内に急速に腫れてきて、
39℃まで熱が一気にあがり、そのまま入院になった方も経験しています。

ですので、動物に咬まれたときの対処法やそれに関する病気を
知っておくことはとても重要です(^^)