前回は、
脂漏性皮膚炎の典型的な症状や、
発症のメカニズムについてお話しました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=70/
次は、その治療法です。
まずは、炎症が起きて、
皮膚が赤くなってかゆみもある時期は、
まず炎症を抑えないといけません。
その場合はステロイド軟膏で治療します。
あまり強くないステロイドで、十分効くことが多いです。
数日から一週間以内できれいに治ることが多いです。
ただ、脂漏性皮膚炎は慢性で再発性の病気です。
放っておくと、忘れたころにまた再発します。
原因として、マラセチアという
真菌(カビ)の一種が発症に関わっている、というお話をしました。
そこで、真菌(カビ)をやっつける外用薬、
いわゆる「抗真菌薬」の外用が再発に有効です。
余談ですが、実はこれは水虫の塗り薬と同じです。
といいますのも、水虫菌も「真菌」の仲間だからです。
その他に、漢方薬も処方されることがあります。
ただし、漢方では、西洋医学と違って、
「この病気にはこのクスリ」、という風に
病気とお薬が一対一の関係ではありません。
全身の状態をみて、総合的に決定します。
ですから、脂漏性皮膚炎の方でも、
全身の体調、体質によって処方されるお薬は違います。
比較的よく処方されるのは、
「十味敗毒湯」や「黄連解毒湯」などです。
さらに、皮脂が出やすい体質や、
ストレス、睡眠不足などの生活習慣もその原因です。
そのため、ストレスを避け、規則正しい生活を心がけます。
さらに、バランスのよい食事や十分な睡眠時間を取ることが勧められます。
さらに、できるだけ皮脂がたまらないように、
低刺激性のシャンプーで皮脂を落として清潔にするように心がけましょう。
逆に、これらの生活を心掛けていれば、
脂漏性皮膚炎は発症しにくいと思います。
発症していない方は、少し気をつけておくと
予防になって良いと思います。