~自分らしいお肌で生きよう~「わたしの皮膚治療」ブログ

皮膚科医の教えるお肌のブログ

えっ、皮膚科って手術するの?

その他

前回は、

「この病気って皮膚科なの?」

というお話をしました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=77/

さて、今回は、

「皮膚科って手術をするの?」

という内容です。

先日、ある友人と夕飯を食べていました。

そこで私が

「今日は手術4件あったから・・・」

とふと口にしたところ、

「えっ?皮膚科で手術?何それ?」

と驚かれました。

あなたは皮膚科と聞くと
どんなイメージがありますか?

診察して、軟膏をもらって・・・
という感じでしょうか。

確かに、多くの場合はそうかも知れません。

でも皮膚に「できもの(腫瘍)」が出来たら
どうでしょう?

ホクロが悪性のものだったらどうしますか?

背中に大きなイボがあったらどうでしょう?

できもの(腫瘍)を「手術で取る」必要が
出てくるかも知れませんよね。

では、手術してくれるのは何科でしょうか?

皮膚科で「診断だけ」をしたら

「じゃあ、このできものは外科で取ってもらってきてください」

となるのでしょうか?

もちろん、違います。

実は、皮膚科の中には

「皮膚外科」

という分野があります。

この分野のエキスパートの先生方は、皮膚科医でありながら、
沢山の手術を日々こなします。

局所麻酔で行う日帰り手術はもちろん、
数時間(時には10時間近く)に及ぶ全身麻酔の手術まで
幅広くこなします。

中でも一番多い病気はやはり

「皮膚癌(ガン)」

です。

皮膚のできものが癌だとわかったら、
全身のCTやMRIなどの画像検査をして、
全身の状態を確認します。

リンパ節に癌細胞が転移していないか、
などもきちんと評価します。

そこで、手術が可能となれば、
全身麻酔で手術を行うわけです。

切り取る部分が大きい場合は、
「植皮術」を行います。

患者さん自身の、
健康な他の部分から「皮」を取って、
病気を切り取った部分に移植する手術です。

全身の広範囲を「やけど」した場合も
全身麻酔で、植皮をすることが多いです。

まぁ、そこまでの大きな手術でなく、

「局所麻酔手術」

であれば、実は、「皮膚科のクリニック」でも出来ます。

「良性の、小さいできもの(腫瘍)」であれば、
局所麻酔(部分麻酔)で、日帰りで行えます。

ほとんどは、15分くらいで終わります。

出血もほとんどありませんし、
手術中や、手術後も「痛くなかった」という
方がほとんどです。

大抵は、手術翌日から、シャワーなども浴びれて、
とくに自宅でのお手入れもありません。

私のクリニックでも
1ヵ月で15~20件の手術を行っています。

手術がいざ終わってみると、

「こんなに簡単に取れるなんて。
 もっと早く来ればよかったです。」

「背中を出した服が着られます」

「できものが取れてすっきりしました。」

「着替えのときに恥ずかしくなくなりました」

という声が多いです。

中には「悪性かと思ってこれで10年悩んでいたのに・・・」
という方もいます。

たった15分で、術後の痛みもほとんどない。

しかも日常生活にも支障が出ない。

となれば、確かにそういう感想が多くなるのは当然かと思います。

手術代ですが、健康保険が効きます。

3割負担で6千円から9千円くらいのことが多いです。
(まれに、大きい腫瘍や顔などの 目立つ場所ですと
 1万~1万3千円くらいのこともあります。)

ですので、気になる「できもの」や「イボ」「ホクロ」
があったときは、お近くで手術をしてくれる皮膚科を探して
相談してみても良いのではないかと思います。

ずっとひとりで悩んでいるよりは、
簡単な手術で取ってしまった方が、
気分がすっきりしたり、
できものが取れて、見た目がよくなったりすると思います。

ただし、「一切手術をしない」方針の皮膚科のクリニックも
あるかと思います。

ですので、事前に電話で「手術をしてもらえるか」確認してみても
よいでしょう。

実際に受診したときに、そこで

「それはここでは手術できません」

「そのまま様子を見てみましょう」

と指摘されることもあると思いますので。

その時は、他の手術をしてもらえるクリニックを教えてもらうか、
紹介状を書いてもらうと良いと思います。

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