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【ニキビ治療の裏ワザ(1)】「20歳を過ぎたら吹き出物」のウソ

ニキビ

ある日の診察室。

30代の女性患者さんに、

「診断はニキビですね」

と言ったところ

「いえ!これは吹き出物です!」

と強く否定されたことがありました。

その時は、その意味が判りませんでしたが、あとになって、

「ニキビは若い人。20歳過ぎたら吹き出物(に名前が変わる)」

と信じている女性が多いと知りました。

確かに一般向けの美容の本を読むと、堂々とそう断言している本もありますね。

しかし、これは医学的には全くの間違いです。

ニキビも吹き出物も全く同じものですし、年齢で区分けできるものではありません。

「大人の吹き出物はホルモンバランスが原因だからニキビとは別もの」

のように解説している本もあります。

もちろんホルモンバランスは大きな原因ではありますが、
それだけが原因ではありません。
逆に言えば、思春期のニキビだってホルモンバランスが影響しています。

また、「20歳を過ぎたら」ではなく、

「”25歳”を過ぎたら吹き出物です!」と書いてある本まであります。

「何歳でわけるのか?」というところさえ、あいまいなようです。

インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」でも

「成人のニキビは吹き出物とされる」

と書いてありますが、よく見ると脚注が付いていて、

[要出典]

と書かれています。

「要出典」とはつまり、「きちんとした根拠がないので、証拠が必要です」ということですね。

皮膚科のお医者さんで、「20歳過ぎたら吹き出物」と思っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

あくまで、ニキビはニキビです。

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