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【ニキビ治療の裏ワザ(4)】ニキビにオススメの漢方薬は?

ニキビ

前回、沢山の漢方薬がニキビに効果があるとされている
というお話をしました。

ざっと挙げても

・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・荊芥蓮翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・小柴胡湯(しょうさいことう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)

などがあります、というお話もしました。

では、この中で何を使えば良いのでしょうか?

まずは、「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」がオススメです。

清上防風湯は、古くからニキビに対して処方されていた漢方薬です。

基本的に、顔や頭のニキビに効果があります。

前回もお話しましたが、
漢方では、「この病気には、このお薬です」というように、
「病気」と「お薬」の関係が、決して一対一ではありません。

個人個人の体質や全身の状態を総合的に判断して、
それに合ったお薬を飲みます。

この個人の総合的な状態のことを「証(しょう」と言います。

つまり、仮に「病名」が同じでも、個人の状態(証)によって
処方されるお薬が変わる、ということです。

証に合わないお薬を投与しても、あまり効果が得られません。

そこが漢方薬を処方する際に難しいところです。

しかし、この清上防風湯はあまり、「証」にこだわらずに処方しても
効果がある、という利点があります。

ですから、ニキビであれば(あまり難しく「証」を考えず)
まずは清上防風湯を試してみる、というのも良いでしょう。

清上防風湯の効果を示した1997年の論文もあります。

28名のニキビ患者さんに対して、
通常の抗生物質の治療に加えて、清上防風湯を併用したところ、

軽症のニキビ患者さんの80%、
中等症の患者さんの73.3%、
重症患者さんの62.5%

に対して、有効だった、というものです。

ニキビで悩んでいて、
「普通の抗生物質の治療だけでは効果がイマイチ」
という方は、漢方薬を併用してみてみることをオススメします。

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