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もしもペットに咬まれたら ネコ編(3)

その他

前号では猫に咬まれると感染率が高い、というお話をしました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=63/

さらに猫には特徴的な、原因菌があります。

それが「Pasteurella(パスツレラ)菌」です。
この菌は、猫の口の中に60~90%という高い確率で存在します。

これまでお話したように、通常、動物に咬まれた時の
原因菌は、黄色ブドウ球菌が多いです。
その場合、咬まれてから感染の症状が現れるまで、
2~3日かかります。

しかし、このパスツレラ菌の場合、
「多くは24時間以内、長くても48時間以内」に急速に感染症状を起こします。

これが、一番の特徴です。

咬まれたところが赤くはれて、熱っぽくなり、痛みも出てきます。
この症状自体は通常の感染と変わりません。

全身の発熱が起こる確率は20%と言われています。

咬まれた傷が深いと、菌が深いところまで達し、
化膿性関節炎や骨髄炎など、骨や関節、筋肉にまで炎症を起こすことも
(ごくごく稀にではありますが)あります。

50歳以上の方、高齢者、乳児、糖尿病の方、、ガン患者さん、または
肝臓や腎臓が悪い方などは、免疫力が低いため、感染しやすいです。
感染したあとも、重症化したり、治るまで長期化しやすい傾向にあります。

続きは次回お話します。