【尋常性乾癬(2)】温泉に入りたくても入れないんです(2)
乾癬前回は、
尋常性乾癬の病態についておおまかにお話しました。
https://watashi-no-hifu.com/?p=72/
今回はその続きです。
症状のポイントは白いカサカサ・フケが沢山ついて
ごわごわした赤みがでることでしたね。
乾癬の写真がこのサイトにありました。
http://www.mirai.ne.jp/~seisinc5/wadai0010.htm
さて、今回は、乾癬の治療法です。
大きくわけて、3つにあります。
ひとつは、塗り薬です。
「ビタミンDが含まれる軟膏」や
「ステロイド(副腎皮質ホルモン)が含まれる軟膏」を組み合わせて使います。
これである程度、かゆみや赤みの症状を抑えられる
ことも多いです。
ただし、全身に拡がる方や、ガンコなタイプは
次の治療法になります。
2つ目は、内服治療です。
「免疫抑制剤」を
内服して発疹を抑えることができます。
かなり効果があり、全身の症状を
抑えられることも多いです。
ただし、副作用が出ることがあるので、
定期的に血液検査でチェックをしながら
内服治療をすることが多いです。
3つ目の治療は、光線療法です。
紫外線をあてて、皮膚の症状を抑えます。
これは、当然ですが、
紫外線を照射する機械が置いてある
病院を探す必要があります。
そこで、定期的に通院して、
治療することになります。
ちなみに、紫外線の光線治療が効くので、
日光浴をして、紫外線を浴びると
皮膚の症状がよくなることが多いです。
乾癬ははっきりとした原因が解明されていないので、
慢性的で、再発しやすい病気です。
症状がよくなったり悪くなったりを繰り返すので、
根気よく治療を続けることが大切になります。
「うつらない病気だけど、うつると思われて嫌がられるんです」
「フケがぼろぼろ出て、服のすそから落ちて
まわりにひろがるから、不潔な人間だと思われちゃうんです」
と言った深刻な悩みを抱えていらっしゃる方も多いです。
一番多く聞く悩みは、前回もお話しましたが、
「温泉に行きたいんだけど、人目が気になって行けないんです。」
というものです。
うつる病気ではないので、
温泉でみかけたりしても、あまり奇異な目を向けないで
いただけたら・・・と思います。
また、体からフケが沢山落ちている方で、
この病気で、誰にも言えず、人知れず悩んでいる方も多いです。
安易に、「ちゃんとお風呂入ってるの?」などと、
傷つけるような言葉をかけないようにしていただけたら・・・
とも思います。
われわれ医師も、命にかかわる病気ではないと
ついつい、軽視してしまう傾向にあります。
患者さんの悩みをしっかり受け止められるよう
自戒したいと思います。
ひとりでも多くの方にこの病気の存在を
知っていただきたいと思います。